1ヶ月ほど前に岩手県内の指導者を集めて指導者講習会が行われました。
mikamonは出席していないのですが、ちょっと小耳に挟んだ話を一つ。
今日は「道徳」の話です。
どちらかというと「倫理」に近いかもしれません。
道徳というと、小学校低学年くらいの時に授業の1つとして時間割に入っていたのが記憶にあるところだと思います。
「弱きを助け、悪を挫く!」、そんな中身の科目だったと思います。
では、スポーツの世界に「道徳」という考え方はあるのでしょうか?
指導者講習会の中であった話は、先日、華々しく引退を表明し、国民栄誉賞を受賞した松井秀喜選手が高校生のころのことです。
甲子園第2回戦、明徳義塾 vs. 星陵の一戦。
星陵の4番を任されていた松井選手。
予選の段階からホームランを連発し、当時からとんでもない選手でした。
しかしながら、この一戦では、5打席(全打席)フォアボールで歩かされてしまいました。
あっさりと書きましたが、詳細についてはこちら(wikipedia)をご覧下さい。
この明徳義塾のプレーが「道徳的」かどうかという話です。
勝負の世界で、増してや全国大会の一発勝負。
指導者として選択できるのは次の3つです。
- 自分が育てた選手を信じて真っ向勝負を挑む
- 勝率を上げるためにリスクを最大限排除する
- 最初の打席は勝負させて、その結果によってやり方を決める
結果として当時の明徳義塾の監督は2を選択したんだと思います。
決して選手を信頼していないわけではなく、むしろ逆で、勝たせたいという思いが強かったんだと思います。
バレーボールの世界でも同様のことが言えると思います。
相手の弱点を突き、こちらの力を最大限活かすことが求められています。
誤解しないでほしいのですが、決して真っ向勝負を否定しているのではありません。
ことバレーボールという競技の中では、戦況によっては真っ向勝負が必要なこともありますし、リスクを最小限に抑えつつ我慢しなければならないときもあります。
・・・と、議論が堂々巡りになりそうなのでシメに移りたいと思いますww
スポーツの中の「道徳」ということを考えると何が正解・不正解ということはないように思われます。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」なんて言葉もありますが、それもこの議論の中では完全に正解とも言い難いですね。
もし、あなたが指導者で大一番の試合でどのような采配をするのか、考えてみるのも一興だと思います。
そうすれば、自分やチームが何を思い、何を目指し、何を求めるかが自ずと見えてくるんじゃないでしょうか?