先日、とあるテレビ番組で「名人伝」なる本を紹介していました。
「名人伝」というからには、「名人とは!!」ということが書かれてあるんだろうな~ということは想像できます。
どんなもんかと検索してみると、かなり古い書籍で、著作権切れのため、電子書籍は無料で提供されていました。
早速ゲットし読んでみました。
要約して書いてみたいと思います。
昔、ある国に弓で1番になろうと躍起になっていた若者がおりました。
師匠に言われたことを忠実にこなし、メキメキと実力を付けていきます。
そんなある日、「もう師匠を超えたんじゃないか?」と思った若者は、半ば不意打ちのような状況で師匠に戦いを挑みます。
互いの実力は拮抗し、師匠の矢が1本足りず、若者の勝ちかと思ったそのとき、師匠は枝を拾って放ち、若者の矢を見事に防ぎ切ります。
若者にしてみれば、死合は引き分け、勝負には敗北といったところでしょう。
と、ここで師匠からカミングアウト・・・「真の名人は私ではなく、山奥に住んでいる」と。
若者は真の名人に教えを請うべく、その山奥にたどり着きます。
辺りを見渡すとヨボヨボの老人が一人。
その人こそ、真の名人だったのです。
実力を見るために、人が1人立つのがやっとの山の頂から、「真上を飛んでいる鳥を撃ち落としてみせよ」と言われ、若者はこれまた躍起になって挑みます。
しかし、一歩でも踏み外せば山の頂から転落してしまう状況にひるみ、矢は鳥に当たることはありませんでした。
すると、名人が弓も矢も持たず、弓を放つ動作をしたところ、まるで本当に射られたかのように鳥が落ちていきました。
そこから若者に何があったかは分かりませんが、数年の後、山を下り村へと戻りました。
村人の間では、真の名人に習ったのだから、その実力はとんでもないものになっているだろうというところまで話が進んでいました。
しかし、当の本人の顔には全く覇気がなく、愛用していた弓すらも持っていませんでした。
その後、生涯、弓を握ることはありませんでしたが、噂が噂を呼び、その実力は全く分からないのに話ばかりが一人歩きすることが死ぬまで続いたそうです。
おしまい
この本で伝えたいことは、今で言う「カリスマ性」のことのようです。
その人が何をするかが問題なのではなく、その人の存在自体が意味を持ってくるということです。
我々もそんなチームになれるように日々精進していきましょう!!